ヒゲデザイン論〜あごひげ(鬚:beard:ビアード)デザイン論
顎ヒゲは唇下から顎部分に生えているヒゲの事です。また頬ヒゲ下部への横ラインも顎ヒゲの 一部となります。日本人においては”ヒゲを生やす”といいますと、口ヒゲを生やすと思う方が 多いです。 しかし初めてヒゲを生やす場合は、顎ヒゲから生やすのがお勧めです。顎ヒゲは手 入れし易い部位でもあり、長さをキチンを管理する事ができれば印象を悪くみられる危険性が少ないと思います。
アゴヒゲをデザインするということ。
顎ヒゲデザインに関しては様々なデザイン定義があるものの、元々あるヒゲの 形(生え方)により決まることになります。顎ヒゲはデザインによって、上方向に対して顔を引き上げる効果があります。つまり、デザインによって小顔になるという事です。逆にいえば、顎 ヒゲによって顔を大きくみせている方がいかに多いという事ですね。顎ヒゲはデザイン次第によってワイルドな印象になったり、繊細な印象になります。ヒゲの長短によっても印象が変わるので、ヒゲに親しむには良いかと思います。顎ヒゲにはデザインをするうえで大きく分けて3つ の部位があります。それは「顎中心」「顎横」「唇下」の3つの部位になり、それぞれのデザインポイントを説明いたします。まずは「顎中心」部位の鬚形状を説明させていただきます。
「基本的な形状デザイン〜丸型(図1)」
丸みを帯びたスタイルなので、優しい印象がデザインされます。ただし横幅は顎の大きさを助長 するので、力強さをかねたデザインが可能です。 基本的には様々な顔形にあうスタイルとなり ます。丸型といっても真ん丸にする必要はなく、先端部位が丸くするだけでも良いと思います。 この型からは口角を下に下げた印象を助長し、我慢強い雰囲気を印象づけます。丸みは顔の外側 を下に引き、丸の頂点の位置により顎を上に引き上げるデザインになります。
「基本的な形状デザイン〜三角形型(図2)」
このスタイルは、精悍な印象がデザインされます。横幅は顎の大きさを助長するので力強さをか ねたデザインが可能です。三角形頂点の位置により顔の中心線を導く事ができますので、輪郭矯 正のデザインが可能です。頂点の延長上には眉間を基本にすると導きやすいでしょう。鼻の状態 によっては矯正が可能です。三角形の角度の延長線上ラインのa角は顔上部の大きさを、b角は身 体の大きさを印象づけますので、相互のバランスが必要です。あまり角度を急なものにしてしま うと、顔がひじょうに細い印象を助長するために注意が必要です。その際は頂点部分を横にとっ てしまって台形にする事により、効果を和らげる事が可能です。
「基本的な形状デザイン〜台形型(図3)」
整然としたスタイルで、厳粛な印象がデザインされます。横幅は顎の大きさを助長するので、そ の幅により顎幅の大小をデザインする事が可能です。さらに四角という形から、男性的な印象を デザインするとこができます。逆三角形の顔形においては、頂点部位の印象を和らげる働きがあ ります。縦の長さは顎から唇までの3分2ほどまでが理想です。この型値からは口の表情を助長 しないために、寡黙な雰囲気を印象づける事ができます。a角が大きいと身体を大きく、顔の重心 は下になりがっしりとしたデザインになります。
「複合的な形状デザイン〜W型(図4)」
w型とは上記型の横に口角部位へ伸びる角状のヒゲがある状態で、基本的形状は口角方向への三 角形になります。このスタイルは顎の大きさをさらに助長しワイルドな印象がデザインされます 。また三角形という形状から上方向(a方向)へのさらなる顎の引き上げ効果があり、それは頂点 の高さに比例しております。基本的形状が三角形と述べましたが、同じ太さで口ヒゲなどとつな げた場合は”泥棒ヒゲ”のような印象になってしまうので注意が必要です。口角までのヒゲが生えて いない場合は、顎ヒゲを少し剃り込む事によっても形成が可能となります。両脇三角形の頂点延 長ライン上には口角があるが基本ですが、その印象を利用して口の大きさをデザインする事が可 能となります。唇から顎までが短い方にはお勧めですが、長い場合は三角形の頂点はなるべく低 くしたほうが無難となります。口ヒゲの両脇をこの三角形の頂点に合わせて切り落としますと、 その間にヒゲがなくても存在するような印象をデザインする事ができます。b角が大きいと、身体 を大きくデザインする事も可能です。
「複合的な形状デザイン〜O型(図5)」
「複合的な形状デザイン〜O型(図5)」O型とは顎鬚中央部が凹み、両脇角がでている状態にな ります。このスタイルは、その形状から中央部に丸いO型をイメージさせることができます。こ のイメージにより、丸い顔の形状をデザインをします。顔に柔らかい印象を与えますので、痩せ ている方にはお勧めです。ただし場合によっては丸顔を助長したり、縦方向に顎を長く印象づけ てしまうなどの事があるので注意が必要です。両脇の角の長さ(a)によりO型をさらに印象づけ 、角度(b)によりO型の大きさをデザインできます。 ヒゲを構成する部位が少ないために、顎 の鬚が薄い方などにもデザイン可能なのも特徴です。 ヒゲの薄い方や、あまりヒゲを大袈裟に デザインできない方にも良いかと思われます。
「複合的な形状デザイン〜凸型(図6)」
中央部が台形型で、両脇は顎後部に向けて伸びているデザインです。中央部の台形部分は口より も小さくデザインする事により、口を大きく印象づける事ができます。また、上部を鼻幅と同幅 にする事により鼻筋が通った印象を与えることができます。また a角の変化により、顔上下部の 大きさに変化を与えるデザインが可能になります。 横方向に伸びたデザインラインbにより顎下 部に安定感をデザインします。 横方向のデザインラインの位置によっても、その安定感の度合 いをデザインする事が可能です。 低いほど安定感は増しますが、面長顔および顎部位が長い方 の場合は注意が必要になります。重心が下になるぶんだけ、下方向に顔および顎を伸ばすデザイ ンになる為です。そのような場合は、基本的形状デザインである台形型が良いと思われます。
・顎鬚における全てのデザイン形状学において、大きな意味合いがあるのが「幅」によるデザイン変化の度合いになります。その幅の主観をどこにデザイ ンするかにより、顔における印象の意味合いが大きく変化する為です。その変化の度合いを3つの幅により説明をしたいと思います。
「顎鬚幅〜鼻幅(図7)」
鬚幅と鼻筋を結ぶデザインベルトにより、顔を縦方向に変化させます。眉間、鼻、人中、顎まで のラインを直線的に印象づけるデザインをすることができます。ただし、眉間および左右の目頭 が離れている型の場合は、それを強調してしまうので注意が必要です。また細いデザインベルト は左右のスペースが空いてしまうので、顔の大きさを横に大きく印象づけますので注意してくだ さい。
「顎鬚幅〜口幅(図8)」
口幅と同じデザインベルトを印象づける事により、顔の安定感をデザインします。この幅は様々 な顔の形に応用できる基本的な幅と考えてください。眉間、目頭、鼻、人中、そして口までがデ ザインベルトの中に収まる事により、各部位のバランスを矯正する事ができます。
「顎鬚幅〜目幅(図9)」
口幅と同じデザインベルトを印象づける事により、顔の安定感をデザインします。この幅は様々 な顔の形に応用できる基本的な幅と考えてください。眉間、目頭、鼻、人中、そして口までがデ ザインベルトの中に収まる事により、各部位のバランスを矯正する事ができます。